小学校英語教育学会(JES)へようこそ

 小学校英語教育学会は、2000年に設立された、約550名の会員を擁する、全国の小学校英語の実践者・研究者が参加する研究団体です。これから小学校英語は、教科化に向け、きわめて多くの課題に取り組むべき時期となります。本学会は、新しい時代に向けて、小学校英語の学びをどのようにデザインするか、実践と研究を通じて、探求・創造することを目指します。
 さて、これまで小学校英語教育学会は、卯城祐司会長のもと、学会としての基本的要件が整備されました。学会誌をはじめ学問的な質の向上、7つの委員会(学会誌編集委員会、課題研究委員会、ウェブサイト委員会、ニューズレター委員会、研究推進委員会、授業実践委員会、国際交流委員会)や役員・事務局など組織の整備、全国の支部・ブロックでの活動の活発化など、めざましい発展がありました。
 そうした学会としての組織の整備にこれからも取り組みつつ、これからの本学会の役割は、小学校の教育現場の具体的な課題とニーズに応えてゆくことであると思われます。日々、子どもに英語を教えるという新しい領域に取り組む先生方のために、本学会が何ができるかが問われていると考えます。
 小学校英語の分野は、今までの中学校以上の英語教育と同じ要素を持ちながらも、特有の要素を意識する必要があります。まず児童期という発達段階にふさわしい英語の学びとは、どうあるべきかという点です。つまり中学校以上では適期を逃してしまうような、児童期だからこそ可能な学びとは何かを追求する必要があります。次に、小学校教育というコンテクストにおいて、英語を通してどのような教育をすべきなのかという要素も重要です。とりわけ、小学校では、全教科を教える担任の先生が指導に当たることも多く、必然的に他教科との関係性、子どもの発達全体を意識しながら、英語を教えるという要素が出てきます。そうした小学校教育特有の要素を意識し、子どもをよく知った小学校の先生ならではの良さを生かしたり、小学校という教育状況の中でこそ可能なことを大切にしたりする視点が必要です。その意味で、本学会は、実践者の声を大切にし、実践のニーズに即した研究活動を進めてゆくべきであると考えます。
 ぜひ小学校の先生たちに知っていただきたい本学会のメリットは、小学校の先生のみならず、大学、高校、中学校の関係者も加わった学会であるという点です。全国から集う実践者と交流し、実践から学ぶことができるだけでなく、学会を通じて多様な研究から新たな知見や視点を知ることができるメリットもきわめて大きいと思われます。ぜひ、本学会に参加し、志を同じくする、さまざまな人々とつながることで、自らの実践や研究の視野を広げる機会を得てほしいと思います。
 また研究者にとっても、本学会は、実践者と研究成果を共有できる場であり、研究の関連性や価値を確かめることのできる場でもあります。小学校英語の分野は、まだまだ未開拓の研究課題が残されており、ぜひ研究に取り組み、新たな知見を探り当てていただきたいと思います。
 小学校英語は、指導法、教材、教員養成・研修、評価、中学校英語への接続など、まだまだ課題が山積しております。本学会を通じて、ぜひ多くの人と交流・協力し、小学校英語を通じた新たな教育の創造に挑戦していただきたいと思います。

2015年4月1日

小学校英語教育学会会長
萬谷隆一(北海道教育大学札幌校教授)